気になる記事・アトピー呼ぶたんぱく質
アトピーを呼ぶたんぱく質
読売新聞朝刊・平成25年8月6日から
兵庫医大解明 増えるとかゆみ・炎症
アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たすたんぱく質を突き止めたと、
兵庫医科大の山西清文教授らが5日、発表した。このたんぱく質の増加が、
かゆみや皮膚の炎症の引き金になっており、新しい治療薬の開発につながる
という。
米科学アカデミー紀要電子版に、近く論文が掲載される。山西教授らは、
アトピー性皮膚炎の患者の皮膚で増えるが、働きがよくわかっていなかった。
「インターロイキン(IL)33」というたんぱく質に着目。マウスの
遺伝子を操作して、IL33の量を、通常10倍に増やす実験を行った。
その結果、すべてのマウスが成長に伴って、自然にアトピー性皮膚炎の
症状を発症した。これらのマウスの皮膚では、かゆみを引き起こすヒスタ
ミンという物質を分泌する細胞が通常の3倍に、炎症を引き起こす好酸球と
いう細胞も7,4倍に、それぞれ増えていた。
アトピー性皮膚炎の治療薬には、炎症を抑えるステロイド剤や、かゆみを
抑える抗ヒスタミン剤などがあるが、いずれも対症療法で、再発を繰り返す
人もいるなど、根本的な治療が難しいのが現状だ。
山西教授は「IL33の増加を抑えたり、作用を食い止めたりする薬を
開発できれば、より効果的な治療が可能になるだろう」と話している。
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