2008年12月04日
「ごはんと環境:藁は究極のリサイクル資源」から
ごはんと環境:藁(わら)は究極のリサイクル資源
【ゴーゴーご組 本日のごはん塾】 から全文。
http://study.gokumi.com/d2008-12-04.html
稲作により生み出されるのは、お米だけではありません。稲を脱穀し残った茎や葉の部分、つまり藁は今でこそコンバインで裁断され田んぼにまかれて肥やしとなりますが、かつてはさまざまな生活必需品を生み出す重要な〝資源〟でした。では、燃料や飼料以外に藁にはどのような利用法があったのでしょう。
ぞうりは漢字で書くと「草履」、わらじは「草鞋」で、まさに草=藁からつくられていました。ちなみにぞうりは鼻緒を持つ下駄のような構造。一方のわらじは先端から2本の紐が出て、これを両側の〝乳〟(ち)という小さな輪とかかとの〝かえし〟という大きな輪に引っかけて足をしっかり固定するもの。今で言うところの、サンダルがぞうり、靴がわらじという感覚で使われました。また、鉄が貴重品だった江戸時代には、馬の蹄に蹄鉄をつけてすり減らすようなもったいないことはできず、馬にもわらじを履かせていました。
レインコートの役割を果たす蓑(みの)も、雨天時の作業に欠かせませんでした。藁なのに雨を通さないのは不思議ですが、びっしょり濡れた表面を伝って先端から水滴が流れ落ち、下の層にしみ出した水も同様に先端へと流れ、二段目、三段目と層を重ねるうちにほとんど濡れなくなっていくのです。藁のチョッキのような背中当ても保温性にすぐれ、作業着として愛用されました。ほかにも笠、帽子、手袋、腰蓑、藁靴など、さまざまな衣料品に藁が使われていました。
昔の農家では、1人あたり蓑と背中当てを各1つ、ぞうり15個、わらじ10個くらいを年間に用意したようです。蓑は3~4日で1着、ぞうりは1日20個くらいのペースで作ることができ、自家用以外にも大切な現金収入源として、藁は価値あるものでした。
衣料品以外では、農閑期になると藁で俵を編みました。藁は食品保存にも大活躍で、俵以外にも酒樽、弁当入れ、おひつ入れ、鍋つかみ、鍋敷きなどにも用いられました。弁当入れは夏に弁当が蒸れて腐ることがなく、おひつ入れは保温性が高く、いずれもすぐれた実用性を持ち合わせていました。食品を保存するだけでなく、納豆づくりにも藁は欠かせません。煮えた豆を藁で包むと、藁の中にいる納豆菌により発酵がおきておいしい納豆ができる訳ですが、まさに生活の知恵ですね。
住宅用でも、屋根の素材だけにとどまらず、壁材や畳まで幅広い用途がありました。壁は竹材を組んで木舞(こまい)という下地を作りますが、竹材を結ぶのは藁縄で、壁土の芯の部分にはすさという切り刻んだ藁を使用しました。畳も表面はい草ですが、中は藁でした。ほかにもむしろから赤ん坊を寝かせておく〝えじこ〟、猫のベッドとなる〝猫つぐら〟まで、用途は枚挙に暇がありません。
藁を加工する時、ほとんどの場合は加工しやすいよう叩いて繊維をやわらかくしていました。不要になった藁製品は土に戻し肥料にしますが、やわらかくて繊維の密度が濃いので、堆肥にするにも灰にするにも未加工の藁と同じ手間で大量の肥やしができたのです。
ちなみに、うるち米よりもち米の藁の方が撥水性・耐久性が高いので、現在は神事用の藁を確保するために、農家にもち米の栽培を依頼している神社もあるようです。
田んぼから生まれたものを無駄なく利用して、再び田んぼへ。そしてまた新しい稲が生まれて…と、昔の人は実に上手にリサイクルさせていました。環境問題や廃棄物問題が藁をも掴(つか)むような危機的状況になる前に、先人から学ぶことは多そうです。
参考文献
石川英輔『大江戸リサイクル事情』講談社文庫
阪本寧男『モチの文化誌』中公新書
【私のコメント】
何たる工夫!素晴らしい!先人の知恵ここに極まれり!
藁(わら)を「米」より「高い」「草」と書く理由が今明かされた。
今の技術者でも藁を見てそこまでの利用法の想像力が働くでしょうか
使い終えたら「元に戻す」それもより優れた肥料になって、「うむ!」
お米は田から物=宝物と言い続けてきたのですが、藁の利用法をも
考えて見てみると、まさに、田んぼ=打ち出の小づちですね。
学校の勉強って何なのだろう
先人の生活の知恵をその技術を教えるのも勉強ではないかと
それには子どもは生き生きとして目を輝かせて勉強するのではないでしょうか
日曜日にサンシビック尼崎で4歳から7歳までの子ども14人の料理教室を
行いました。子どもが最初から最後まで自分でやり遂げるのです。
『親は口出すな、手を出すな、喋るな!』
その時間は2時間余り、包丁を使い、火を使いして緊張の連続。
それでも“ダレル”子は誰もいなくて「最後まで」集中していました。
私「子どももやる時はやるな」と。
※ 鰯を捌くのを嫌がった子は2人いてましたが。
その日、子どもに大人気で一番“売れた”のは〔さつまいものご飯〕でした。
疲れ切った子どもたちにはご飯が一番おいしかったのでしょう。
やはり、ご飯が子どもたちには一番良い食べ物なんだと分かりました。
ごはんと和食は先人の知恵が凝縮した健康のための食べ物なのです。
そのことをこれからも勉強していきましょう。よろしくお願いします。
がんばろう!ゴーゴーご組
【ゴーゴーご組 本日のごはん塾】 から全文。
http://study.gokumi.com/d2008-12-04.html
稲作により生み出されるのは、お米だけではありません。稲を脱穀し残った茎や葉の部分、つまり藁は今でこそコンバインで裁断され田んぼにまかれて肥やしとなりますが、かつてはさまざまな生活必需品を生み出す重要な〝資源〟でした。では、燃料や飼料以外に藁にはどのような利用法があったのでしょう。
ぞうりは漢字で書くと「草履」、わらじは「草鞋」で、まさに草=藁からつくられていました。ちなみにぞうりは鼻緒を持つ下駄のような構造。一方のわらじは先端から2本の紐が出て、これを両側の〝乳〟(ち)という小さな輪とかかとの〝かえし〟という大きな輪に引っかけて足をしっかり固定するもの。今で言うところの、サンダルがぞうり、靴がわらじという感覚で使われました。また、鉄が貴重品だった江戸時代には、馬の蹄に蹄鉄をつけてすり減らすようなもったいないことはできず、馬にもわらじを履かせていました。
レインコートの役割を果たす蓑(みの)も、雨天時の作業に欠かせませんでした。藁なのに雨を通さないのは不思議ですが、びっしょり濡れた表面を伝って先端から水滴が流れ落ち、下の層にしみ出した水も同様に先端へと流れ、二段目、三段目と層を重ねるうちにほとんど濡れなくなっていくのです。藁のチョッキのような背中当ても保温性にすぐれ、作業着として愛用されました。ほかにも笠、帽子、手袋、腰蓑、藁靴など、さまざまな衣料品に藁が使われていました。
昔の農家では、1人あたり蓑と背中当てを各1つ、ぞうり15個、わらじ10個くらいを年間に用意したようです。蓑は3~4日で1着、ぞうりは1日20個くらいのペースで作ることができ、自家用以外にも大切な現金収入源として、藁は価値あるものでした。
衣料品以外では、農閑期になると藁で俵を編みました。藁は食品保存にも大活躍で、俵以外にも酒樽、弁当入れ、おひつ入れ、鍋つかみ、鍋敷きなどにも用いられました。弁当入れは夏に弁当が蒸れて腐ることがなく、おひつ入れは保温性が高く、いずれもすぐれた実用性を持ち合わせていました。食品を保存するだけでなく、納豆づくりにも藁は欠かせません。煮えた豆を藁で包むと、藁の中にいる納豆菌により発酵がおきておいしい納豆ができる訳ですが、まさに生活の知恵ですね。
住宅用でも、屋根の素材だけにとどまらず、壁材や畳まで幅広い用途がありました。壁は竹材を組んで木舞(こまい)という下地を作りますが、竹材を結ぶのは藁縄で、壁土の芯の部分にはすさという切り刻んだ藁を使用しました。畳も表面はい草ですが、中は藁でした。ほかにもむしろから赤ん坊を寝かせておく〝えじこ〟、猫のベッドとなる〝猫つぐら〟まで、用途は枚挙に暇がありません。
藁を加工する時、ほとんどの場合は加工しやすいよう叩いて繊維をやわらかくしていました。不要になった藁製品は土に戻し肥料にしますが、やわらかくて繊維の密度が濃いので、堆肥にするにも灰にするにも未加工の藁と同じ手間で大量の肥やしができたのです。
ちなみに、うるち米よりもち米の藁の方が撥水性・耐久性が高いので、現在は神事用の藁を確保するために、農家にもち米の栽培を依頼している神社もあるようです。
田んぼから生まれたものを無駄なく利用して、再び田んぼへ。そしてまた新しい稲が生まれて…と、昔の人は実に上手にリサイクルさせていました。環境問題や廃棄物問題が藁をも掴(つか)むような危機的状況になる前に、先人から学ぶことは多そうです。
参考文献
石川英輔『大江戸リサイクル事情』講談社文庫
阪本寧男『モチの文化誌』中公新書
【私のコメント】
何たる工夫!素晴らしい!先人の知恵ここに極まれり!
藁(わら)を「米」より「高い」「草」と書く理由が今明かされた。
今の技術者でも藁を見てそこまでの利用法の想像力が働くでしょうか
使い終えたら「元に戻す」それもより優れた肥料になって、「うむ!」
お米は田から物=宝物と言い続けてきたのですが、藁の利用法をも
考えて見てみると、まさに、田んぼ=打ち出の小づちですね。
学校の勉強って何なのだろう
先人の生活の知恵をその技術を教えるのも勉強ではないかと
それには子どもは生き生きとして目を輝かせて勉強するのではないでしょうか
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その時間は2時間余り、包丁を使い、火を使いして緊張の連続。
それでも“ダレル”子は誰もいなくて「最後まで」集中していました。
私「子どももやる時はやるな」と。
※ 鰯を捌くのを嫌がった子は2人いてましたが。
その日、子どもに大人気で一番“売れた”のは〔さつまいものご飯〕でした。
疲れ切った子どもたちにはご飯が一番おいしかったのでしょう。
やはり、ご飯が子どもたちには一番良い食べ物なんだと分かりました。
ごはんと和食は先人の知恵が凝縮した健康のための食べ物なのです。
そのことをこれからも勉強していきましょう。よろしくお願いします。
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