2012年03月19日
第一章 病院はお笑いネタの宝庫です①
『笑いの処方箋』から引用 (中島英雄・中央群馬脳神経病院院長)
―― 医者もできる噺家 桂 前治の愉快な診療室 ――
① 「主訴」を聞いてるだけで日が暮れる
医者は、患者さんに診察室に入っていただいてから、
うちにみえる患者さんはお年寄りが多く、これが耳が遠いおバアちゃん
だと大きな声で喋べらなくてはなりませんから大変です。
まず「主訴」つまり何を診てもらいたくて病院に来たかをたずねます。
そんなとき聴診器の耳に当てるイヤホンの部分を、おバアちゃんの耳に
当てがって、私は、胸に当てる丸い所をマイク替わりにして喋るんです。
『あーあー 聞こえますか?おバアちゃん。今日はどうされました?』
婆「へえー、普通にしてました」
『そうじゃなくて、何で来たの?』
婆「ハ―、息子の車で」
『イヤ、そうじゃなくて、どこが悪いの?』
婆「ああ、そうね、みんなあっちもこっちも悪くてね」
『だから、今日はいちばん診てもらいたいところは?』
婆「そうさね、頭が痛くて」
『いつ頃から痛いの?』
婆「そうさね、随分前からさね」
『百年前から?』
婆「アハハッ、先生。冗談ばっかり。あたしゃ、そんなに
年じゃないよ」
『じゃ、いつ頃からなの?痛いのは?』
婆「そうさね、次男が生まれた次の年からかね」
『フーン、じゃ次男が生まれたのは、いつかな?』
婆「さうさね、あれは長男が生まれた2年後かね」
『(ク―、まだまだ我慢だぞ)じゃ、御長男が生まれたのは?』
婆「そうだね、ありゃ、ジイさまと一緒になって、しばらく
子供ができねぇで、姑さんに“石女(うまづめ)”なんて
散々言われたのう。で、5年目になってやっとできたんだわ」
『だからおジイちゃと結婚したのは?』
婆「終戦の翌年だったかね」
『フーン、終戦って日露戦争の終戦かい?』
婆「ハハハッ(笑)先生、落語をやっているだけあって洒落が
面白いや」
『タハ―ッ』
―― 医者もできる噺家 桂 前治の愉快な診療室 ――
① 「主訴」を聞いてるだけで日が暮れる
医者は、患者さんに診察室に入っていただいてから、
うちにみえる患者さんはお年寄りが多く、これが耳が遠いおバアちゃん
だと大きな声で喋べらなくてはなりませんから大変です。
まず「主訴」つまり何を診てもらいたくて病院に来たかをたずねます。
そんなとき聴診器の耳に当てるイヤホンの部分を、おバアちゃんの耳に
当てがって、私は、胸に当てる丸い所をマイク替わりにして喋るんです。
『あーあー 聞こえますか?おバアちゃん。今日はどうされました?』
婆「へえー、普通にしてました」
『そうじゃなくて、何で来たの?』
婆「ハ―、息子の車で」
『イヤ、そうじゃなくて、どこが悪いの?』
婆「ああ、そうね、みんなあっちもこっちも悪くてね」
『だから、今日はいちばん診てもらいたいところは?』
婆「そうさね、頭が痛くて」
『いつ頃から痛いの?』
婆「そうさね、随分前からさね」
『百年前から?』
婆「アハハッ、先生。冗談ばっかり。あたしゃ、そんなに
年じゃないよ」
『じゃ、いつ頃からなの?痛いのは?』
婆「そうさね、次男が生まれた次の年からかね」
『フーン、じゃ次男が生まれたのは、いつかな?』
婆「さうさね、あれは長男が生まれた2年後かね」
『(ク―、まだまだ我慢だぞ)じゃ、御長男が生まれたのは?』
婆「そうだね、ありゃ、ジイさまと一緒になって、しばらく
子供ができねぇで、姑さんに“石女(うまづめ)”なんて
散々言われたのう。で、5年目になってやっとできたんだわ」
『だからおジイちゃと結婚したのは?』
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『タハ―ッ』
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