田から物　宮崎米穀店

体は間違わない　「健康養生通信」（2010・5・21）から

病気は体の失敗ではありません。病気は体の失敗だと思うから
慌てて薬を飲み始めるという、現代の医療は見当違いな対応を
促しているように思います。

そもそもなぜ人間の体に病気が起こるのか。

漢方では、病気は外的要因と内的要因によって起こると考えます。
外的要因としては、自然、気候の変化が激しすぎるとき、もしくは
体がこの変化に対する適応能力を失ったときに、体に不調が生じます。

また、ウィルス、病原菌などの体への侵入も病気の原因になります。
私たちが生活している環境、空間には常に病原菌、ウィルスが体に侵入
しようとこしたんたんと狙っています。それらの病原菌に負けないように
体の免疫力、抵抗力をつけることが大事です。

体の内的要因もあります。
つまり精神的ストレス(嫌な感情)です。現代社会はストレス社会といわれる
ほど、生きることは常にストレスと向き合うことにあります。人間には
ある程度のストレスに耐えられる能力をもっていますが、心と体が耐えられ
ないほどのストレスを抱えると体の中の精神活動を担う「気」の流れが乱れ、
臓器機能に支障をきたして病気になるのです。

外的そして内的要因のほか、本人の人為的な要素も病気の原因になります。
たとえば暴飲暴食、過労もしくは楽をしすぎな生き方、生活にめりはりがない。
テレビ前でごろごろ、運動不足なども病気を引き起こします。

だから、病気は体の間違いではありません。
体が自然、気候の変化、心、感情の変化に適応できなくなった時に起こる
自然現象なのです。病気になったら、むやみに薬に頼るのではなく、病気
の原因を探り出し、病気に勝ち抜く体を作ること。
世界的免疫学者安保徹先生いわく・・「病気は生き方の偏りー体は間違わない。
この35億年かけて進化してきた体の機能を科学の力だけで『なんとかしよう』
とするのは無理があります。謙虚に人間の驚くべき生命を維持する働きに眼を
向ける必要があるといいたいです。（木元聖花）